13階段 高野和明
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- 価格: 699円
読んでほしい度 ☆☆☆☆☆ 読みやすさ ☆☆☆
死刑制度を扱った作品です。
死刑判決を受けた樹原亮は『死神』と称されるいつなのか分らない死刑執行日に、死刑囚を迎えに訪れる刑務官に怯えながら過ごす日々、冤罪であるのに。
そんな彼の無実を晴らそうと、死刑制度に反対する匿名の篤志家からの依頼を受けた弁護士の指令で動き出したのは退職を決意した刑務官・南郷
南郷は自分の勤務する刑務所から仮出所したばかりの三上純一を相棒に誘う。
致死傷害罪で服役していた純一を選んだことに、何か意図があってのことだろうと、話の序盤から推測されるが、事件は純一の殺害した男の父親も絡まり複雑になっていく。
自分の親しい人や家族が殺されたら、その犯人を殺してやりたいと望んでしまうのは人間の常であろう。
だが実際に自分の手で殺害することなどできない。
だから被害者遺族は死刑を望むのだ。
法の下に死刑に。言葉ではきれいな正義であるが、しかし実際に誰かが、被告人の首を絞めなければならない。
その殺人と何ら変わらぬ重苦しい儀式を行わなければならないのは、正義を愛し犯罪者を更生させ世の中に戻したいと強い願いを抱いた刑務官たちである。
私は死刑制度には賛成派である、が、死刑執行に対しもうちょっと方法はないのかなと深く考えさせられる作品です。ぜひ読んでほしい。