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裁判員 もうひとつの評議  小杉健治

読んでほしい度 ☆☆☆  読みやすさ ☆☆☆☆

小杉さんの作品は、字数が少ないものが多く読書初心者にも読みやすいです。

会社員の木原一太郎裁判員に選出されたが、それはちょうど別居中の妻から離婚を求められ、精神が乱れている時であった。

被告人は29歳の青年 幼い頃の自宅の火事で左の額と背中にかけてやけどを負い、そのあとが残ってしまったことで、もともと大人しい性格の上にとても内向的になってしまっていたが、出会い系サイトで出会った美しい女性とその母親を刺殺たという。

検察側の出した物証と本人の自白をもとに立件されたが、一転無罪を主張し始めたというところで裁判が始まる。

現実に裁判員制度は平成21年から始まり、地方裁判所ごとに管内の選挙管理委員がくじ引きで無作為に選んだ方が任命されます。裁判所が認める正当な理由がない限りは辞退できません。もしも自分が選ばれたらと思うと、興味も多いにあるけれど、やっぱり人の生死や生活を左右する判断をなさねばならぬのは怖い。

木原も殺人事件の犯人なのか冤罪なのかが分からない被告人に対し、妻のことを一時忘れて放置し、真摯に向き合っていく。

結局は裁判員の多数決で有罪となるのだが、裁判員の一人が言った言葉が印象的

裁判員裁判は、言葉は悪いが一種のゲームなんだ。真実を明らかにする神聖な場ではない。黒か白かを決めるゲームだ。」

この言葉の意味が気にかかったら、どうぞ読んでみてください。